歯茎が黒い・歯と歯茎の境目が黒い

診療室歯ぐきの黒ずみが気になるという方は、実は少なくありません。

ただ、見た目以外に大きな問題が自覚されないことが多いため、なかなか受診に至っていないのが現状です。

歯ぐきが黒くなった原因によっては、治療により改善が可能です。また、金属の溶け出しなど、原因によっては将来的な健康リスクにかかわることもありますので、できるだけ早い段階で、一度ご相談ください。

健康な歯茎とは?

薄いピンク色をしている

健康な歯ぐきの色は、均一で薄いピンク色です。もちろん個人差はありますが、発色の良い赤みがあったり、紫がかっている歯ぐきは、何らかの問題を抱えている可能性があります。

引き締まっている

健康な歯ぐきは、ハリがあり、かつ引き締まっています。また、歯間に突き出している歯ぐきが、きれいな三角形になっています。 触ったときにブヨブヨしていたり、反対にやせ細っていたりという場合には要注意です。

歯茎と歯の境目に歯垢・歯石がついていない

虫歯・歯周病がなくとも、プラークや歯石が多いお口は、健康とは言えません。プラークにも歯石にも、たくさんの細菌が潜んでいるためです。すでに炎症が起きているか、近い将来に炎症がひどくなることが予想されます。 プラークは歯間や歯の裏に溜まりやすく、その後わずか2日で歯石になります。毎日のブラッシングでプラークの量を減らしながら、定期的に歯科医院で歯石を除去してもらいましょう。

スティップリンクがついている

「スティップリング」とは、健康な歯ぐきに見られる細かな凹凸です。歯ぐきの表側、歯に近いところにあります。鏡を使ってよく観察しなければ分かりませんが、これがあるのは、歯周組織に含まれるコラーゲンの状態が良い証拠だと言われています。 反対に、歯周病の方の歯ぐきには、スティップリングは見られません。

歯茎の変色の原因

古い被せ物や、被せ物の中の金属劣化

被せ物に含まれる金属は、月日の経過とともに劣化して溶け出し、歯ぐきに黒く沈着します。 口腔という高湿度で狭い環境では、金属を使用することにこのようなリスクがあります。

歯周病

歯周病が進行すると、歯ぐきの内側まで炎症が広がるため、歯ぐきの色が悪くなります。また、炎症に伴う出血がプラークと混じることで、黒っぽい歯石も形成されてしまいます。

歯の神経が死んでいる場合

重度の虫歯で神経を除去した場合、あるいは打撲などによって神経が死んでしまった場合、これまでのように歯に栄養が届かなくなり、歯が黒ずみます。 またこのとき、歯の色が悪くなったことで、歯ぐきから透けて見えて、歯ぐきまで黒くなったように見えます。

タバコの影響

煙草の煙に含まれるニコチンやタールが、歯ぐきの内側にあるメラニン細胞を刺激し、色素の沈着を促します。 これは、陽に当たったときに肌が黒く焼けるのと同じ原理です。 ニコチンやタールはまた、血管を収縮させる作用がありますので、歯ぐきの血流も悪化し、歯周病の発症・悪化の原因になります。 このように、直接的にも、間接的にも歯ぐきの黒ずみを引き起こすのが喫煙習慣です。

子どもの場合

乳歯から永久歯に生え替わる際、歯ぐきの中で血管が破れるため、歯ぐきが黒っぽく見えることがあります。 ただし、これは血管の修復とともにもとに戻るものなので、心配する必要はありません。

治療法

メタルフリー治療(お口の中の古い金属を取り除く)

歯ぐきの黒ずみの原因になる金属のつめ物・被せ物を取り除き、セラミックなど、金属を一切含まない材料に交換する方法です。金属アレルギーの予防のためにも、虫歯治療でつめ物・被せ物を使用する際には、できる限り、セラミックなどを使ったメタルフリー治療を選択されることをおすすめします。

歯周病治療

歯周病治療によって炎症が治まれば、歯ぐきの色の回復が期待できます。 歯科医院でのスケーリング・ルートプレーニングとともに、ご自宅での質の高いオーラルケアを実践していきましょう。

自分でできること

歯周病予防の歯磨き粉・デンタルリンスの使用

歯周病菌に対する殺菌効果のある歯磨き粉、デンタルリンスを使用することで、ホームケアの質を向上させることができます。 歯磨き粉やデンタルリンスの選び方が分からない、という場合は、当院の歯科衛生士にお尋ねください。

歯間ブラシの使用

歯間の汚れを取るための専用のブラシ「歯間ブラシ」を、通常の歯ブラシと併用しましょう。 歯間が狭いという方には、デンタルフロスがおすすめです。

禁煙

喫煙は、歯ぐきの黒ずみだけでなく、歯周病、さらには全身疾患の原因にもなります。 お口と身体の健康のため、できる限り禁煙しましょう。

よくある質問

以前治療した歯の周りが黒くなってきました。治りますか?

金属を含むつめ物や被せ物を使用しているのであれば、その交換により、少なくともこれ以上の黒ずみを防ぐことが可能です。 ただし、歯そのものが黒いのか、歯ぐきの黒ずみが透けているのかによって、対処法が異なります。

セラミック治療をしたのに、歯ぐきが黒くなってきました。なぜですか?

いわゆる「セラミック治療」と呼ばれるものの中にも、金属を含むものが存在します。つまり、セラミック治療を受けたのに、それを原因として歯ぐきが黒くなることもある、ということです。 主に、内側に金属を使用する「メタルボンド」、被せ物の支台に使用する「メタルコア」などを使うケースです。 歯ぐきの黒ずみを防ぎたい、あるいは金属アレルギーを防ぎたいという場合には、口腔内で一切金属を使用しない方法を選択されることをおすすめします。

黒くなった歯茎をそのままにしておくとどうなりますか?

原因にかかわらず、さらに黒ずみがひどくなったり、拡大することが懸念されます。 歯ぐきの黒ずみの原因は、歯周病、金属を含む被せ物の経年劣化、喫煙など、いずれも単体としても身体に及ぼす影響の大きなものです。 黒ずみの悪化を防ぐためにも、また健康を守るためにも、一度歯科医院を受診されることをおすすめします。

歯と歯茎の境目が黒ではなく白っぽく見えます。なぜですか?

歯と歯ぐきの境目が白い場合、被せ物とその土台となる歯の間に、セラミック以外の材料(レジン樹脂など)が充填されていることが予想されます。 セラミックのみで作られた、オールセラミッククラウンなどへの交換で、改善が可能です。

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